勉強法

中学生の内申点の上げ方を塾講師がわかりやすく解説する

こんにちは、塾講師のはやてです。

高校受験で公立高校を受験し、私立高校を併願で取りたいなら中学校の内申点をあげる必要があります。

現場で働いていればわかりますが、毎年内申点がなくて

  • 志望校を大幅に下げないといけない
  • 志望校を受けても、内申点のせいで落ちてしまう
  • 私立の併願を申し込めない

という辛い思いをする生徒・保護者を見てきました。

中学受験・大学受験と違って、自分の学力だけで合格できない(私立一般受験を除く)のが高校受験の難しいところです。

通知表の内申点を制す者は、高校受験を制す

ことは間違いありません。

この記事では、毎年3桁の受験生を高校に送っている私が内申点の仕組みと取り方について解説します。

内申点を上げるコツをマスターしましょう!

内申点があれば、なんとかなるのが高校入試

まずは結論から。

偏差値が65以下の公立高校を目指している場合、内申点さえあれば高校入試はなんとかなります。

65以上の公立高校なんて都道府県ごとに数える程しかないので、ほとんどの中学生にとっては、とりあえず内申点さえあれば高校入試は有利に進めることができるということ。

内申点と入試本番の比率も、内申重視に変わりつつあります。

内申点があればこんなにいい!

国・公立高校の受験の幅が広がる

高校受験の合格率が安定する

滑り止めの私立高校を実際に受けに行かなくてもよくなる

自分の学力以上の学校を視野に入れることができる

一般受験ができる私立高校が第一志望の場合を除けば、まずは内申点から逃げることはできないと考えましょう。

内申点は定期テストの点数だけではない

内申点を上げる上で一番大事なのは、中学校の定期試験(定期考査)です。

二期制なら年4回、三期制なら年6回ありますよね。

ただ私が指導してきた生徒のモデルを見てみると、定期テストが全てではありません。

私が指導した生徒のモデル例

中学3年生Aさん

内申点:42/45

定期テストの得点(5科目):380点

実技科目の得点:各科目約80点

模試偏差値:45

例えば、Aさんは中学3年生の前期の成績が↑のような感じでした。

Aさんの定期テストの5科目は平均80点すらいっていません。

模試の偏差値も平均を下回っていて、平凡です。

その代わり、内申点は42/45とかなりの優秀性です。

※評定に4がついている3科目は全て実技以外の科目です。

定期テストもそこそこ、模試は平均を下回っているのになぜそんなにとれるのか。

それは一言で言えば、中学校の先生から見て模範的な生徒だからです。

Aさんの特徴は、こんな感じでした。

  • 先生によく質問をする
  • (特に実技科目の)課題は時間をかけて作り込む
  • 授業中は手をあげる
  • ノートはきれいで誰が見ても努力の跡が見える

関心・意欲・態度の項目は全て評価マックス、課題は全て完璧に提出しています。

内申点をあげるには、定期テストの点数が取れる+αがとても重要

Aさんは定期テストの結果があまり良くないので、評定が4になっているのは全て5科目の科目です。

もう少し点数が取れれば45/45になったはずですが、その後点数がなかなか上がりませんでした。(それでも都内の人気公立校に合格)

点数はもちろんですが、内申をあげるには点数以外もいかに重要かがわかりますよね。

Aさんと真逆のBくんの例を挙げてみます。

中学3年生Bくん

内申点:33/45

定期テストの得点(5科目):430点

実技科目の得点:各科目約60点

模試偏差値:60

模試の偏差値が60と優秀で、5科目の点数も平均85点を超えています。

一方で実技科目の手を抜いていて、実技科目のやる気がありません。

ただ、内申点がAさんよりも約10程度低くなっています。

理不尽に見えるかもしれませんが、これが内申点の現実だと思っています。

Bくんの特徴は、

  • 先生に質問をしない
  • (実技科目の課題は)とりあえず出す
  • 授業はとりあえず受ける
  • ノートは自分だけがわかる暗号状態

といった感じです。

点数がこれだけ取れても、関心・意欲・態度の項目、提出物の印象点で大きく損をしています。

男の子によく見られる傾向で、学力があるのに内申が低い生徒の典型例です。

Bくんの場合は点数以外の評価がかなり悪いので、定期テストの点数が良くてもこれが限界になってしまいます。(最終的にBくんは有名私立の一般入試を勝ち取ってきました)

中学生の内申点をあげるために必要な3つのこと

↑で見てきたように、内申点を大幅にあげるには以下の3つが揃っている必要があります、

  1. (実技科目も合わせて)定期テストの点数を取る
  2. 提出物のクオリティを上げる
  3. 先生に真面目な生徒としての印象を持ってもらう

①(実技科目も合わせて)定期テストの点数を取る

定期テストの点数を上げることは、必須の条件です。

5教科に力を入れすぎて、実技科目がおろそかになるといけません。

特に今は、都立入試のように実技科目の内申点の得点倍率を上げる自治体も増えています。

私がいつも生徒に言っているのは、

  1. 定期テスト1週間前までに、5科目の勉強をある程度終わらせる
  2. テスト前日や直前期に実技科目の勉強をする

という2点です。

内申が伸びない生徒は前日に必死に5科目を勉強している人が多い印象です。

5科目の勉強法については以下の記事で詳しく紹介しています。

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②提出物のクオリティを上げる

意外に重要なのが、提出物のクオリティです。

提出物といっても特に重要なのが、①ノート、②学校で配布されたワーク(問題集)・プリントです。

学校の教師は生徒から出された提出物を見ながら、A〜Dのように評価をしています。

学校の先生によって違いますが、

  • A:授業の板書+感想や自分で調べたことが書いてある
  • B;授業板書をとりあえず写しただけ
  • C:授業板書を所々写してある
  • D:提出せず

といった感じです。

多くの生徒は、BかCに分類されます。

ここでAをとれば先生の印象がグッと良くなって関心・意欲・態度のはもちろん、他の評価項目にもプラスの影響が出てきます。

勉強が得意で模試の結果の良い生徒でも、D=未提出の生徒もかなりの数います。

この記事を保護者の方が見ている場合は、自分の子供の提出物の状況だけでもチェックすると良いはずです。

③先生に真面目な生徒としての印象を持ってもらう

②とも関わることですが、最終的に評定は中学校の先生が「自分の判断」でつけます。

だから、先生から気に入られることも重要になってきます。

良い印象を持たれる行動例
  • 授業でわからなかったことを授業後に質問する
  • 提出物(特にノートやワーク)を完璧に仕上げる
  • 授業中に私語をせず、積極的に発言する

自分の授業に興味を持ってくれる生徒は先生にとっては先生のファンです。

先生というのは、自分のファンの成績を下げることは絶対にしないもの。

途中から急に態度や行動が変わったとしても「あいつは真面目にやる気になったんだ」と評価してもらえるので、すぐに行動に移すことが重要です。

中3から意識を変えて、内申点を5〜10程度上げてくる生徒も普通にいるので安心してください。

【絶対禁止!】内申点が下がってしまう5つのNG行動例

最後に、絶対にやってはいけないNG行動例を挙げておきます。

意外にやってしまっている人(お子さん)も多いので注意しましょう!

第1位:提出物を出さない

論外中の論外ですが、意外に1つや2つの提出物を出さずに終わっている人は相当数います。

提出物を出さない=内申点が直接下がる行動と考えておきましょう。

第2位:実技科目(副教科)の勉強や授業態度をおろそかにする

5科目は真面目に受ける一方で、音楽・保健体育・技術家庭・美術になると授業態度が悪かったり、提出物を出さない生徒は大勢います。

時代の流れ的に、実技科目の内申点を重視する学校や自治体が増えています。

実技科目は範囲が狭く暗記が中心なので、提出物をしっかりとして前日に勉強すれば結果が出ます。

そのためには5科目を早めに仕上げておく必要がありますよ!

第3位:提出物をとりあえず出すだけでは真ん中の評定しかつきません

提出物は8割以上の生徒が提出してきます。

授業の板書を写しただけの「そこそこのノート」では真ん中のB評価しかつきません。

他の人との違いをしっかりと見せ付けましょう。

評定で一番上の評価を得るには、

  • 先生が授業で話していたことをメモして都度書き込む
  • 自分でまとめた自主ノートのページを作る
  • 資料集の情報なども書き込む

など、オリジナリティを出して努力の跡をアピールすることが重要です。

今までやっていなかった人も、次のテストからは挑戦してみましょう。(毎年ノート指導を生徒にアドバイスして、評定が上がっています)

まとめ:定期テストの点数+先生に好かれる=内申点

内申点で高校受験に失敗する家庭を本当にたくさんみてきたので、この記事を執筆しました。

内申点をあげるには、一に定期テストの点数、二に先生に好印象を持ってもらうことです。

定期テストの点数の上げ方で説明した方法もぜひ参考にしてください。

定期テストのおとも、教科書ガイドについて書いた記事もぜひどうぞ。

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