こんにちは。はやてです。
いきなりですが、「みなし残業(代)」なる言葉を知っていますか?
国も認めている「固定残業代」という制度なのですが、私が新卒で入社した会社もこの制度を利用していました。
他の記事を読んでくれている方はわかると思いますが、某学習塾ですね。

「みなし残業」は飲食・教育・アパレル系のサービス業でよく採用されている労働形態。
企業によって悪用されると「働けど働けど給料はもらえず・・・」という状態に陥ります。
私はこの「みなし残業」の悪用のせいで月100時間働いても数万円しかもらえない奴隷労働を強いられました・・・
この記事ではその経験を踏まえて、
- みなし残業代(固定残業代)って何?
- みなし残業が悪用されるとどうなるのか
について紹介していきます。
Contents
みなし残業代(固定残業代)とは?
簡単に言うと、「みなし残業代」とは一定時間分の残業代をはじめから給料に含めておくこと。
会社からすれば、「君がどれくらい働いているかちゃんと把握できないから、あらかじめ残業代を払っておくね」といった感じですね。
労働者にとってもメリットの多いシステムで、例えば20時間のみなし残業をもらっている労働者が、10時間しか残業をしなくても20時間分もらえることになります。
- 会社:いちいち労働者の勤務時間を詳しくチェックしなくてもいいのでラク
- 労働者:実際以上に残業代がもらえることがある
このようにメリットが多いので、多くの会社で導入されています。
ちなみに私の会社のみなし残業代は月7万円ほどでした。
勤務した初月の給料を見ると、「これおいしいな!」と喜んでいましたね。
だって残業は月10時間ちょっとくらいしかないのに、7万円もの大金をもらえるのですから・・・
当時何もわかっていなかった私にとって、「みなし残業代」は魔法のようなシステムでした。
みなし残業代の基本ルール
「みなし残業」は法律で決められた通りの運用をされれば、会社・労働者の双方にメリットのある制度です。
以下が法律で決められていて、会社は遵守しなければならないことになっています。
- 労働者に周知して合意を得る
- みなし残業代が何時間の労働に値するかをあらかじめ明記する
- 労働者がみなし残業代以上の時間を労働した場合は、その超過分を支払う
①労働者に周知して合意を得る
会社側は「みなし残業」の制度を採用していることを、労働者側に周知して合意を得る義務があります。
既存の労働者にはもちろん、新しく入社してくる労働者にも。
そうでないと、いきなり不利な労働条件を労働者が強いられることになりますからね・・・
私の会社は全くこのことを無視していましたね。
私が「みなし残業代」に気づいたのは、初めて給与明細をもらった時でした。
しかも、明細には「みなし残業代」と書いてなくて別の名前で書かれていたため直属の上司に聞いて初めて気づきました。
入社後に「みなし残業」とわかるのは違法なので、あらかじめチェックしておくべし!
②みなし残業代が「何時間の労働に値するか」をあらかじめ明記する
会社には、あらかじめ「みなし残業代」がその労働者の労働何時間分に当たるのかを明記して、知らせる義務があります。
簡単言うと、「あなたのもらっている「みなし残業代」〇〇円は〇〇時間に相当します」と伝えられてなければなりません。
そうしないとどうなるか?
会社が労働者の労働時間をあいまいにして、ごまかすことができますよね?
だから法律では会社側にこうやって義務付けられています。
私の場合はひどいものでした・・・
私は月に約7万円ほど「みなし残業代」をもらっていたのですが、それが一体何時間分なのかなんて一切教えてもらえませんでした。
説明も皆無だったので、給料に無理やり振り込まれているといった感じでしたね(笑)
悪質な会社は時間を教えてくれないので、確認しておきましょう。
③労働者がみなし残業代以上の時間を労働した場合は、その超過分を支払う
「みなし残業代」はあくまでただの残業代なので、労働者が「みなし残業代」以上の時間を労働した場合は超過分が払われないといけません。
(例)
Aさんが20時間分の「みなし残業代」3万円をもらっている
→ある月に40時間残業した場合、超過分の3万円がさらに支払われる
こんな感じですね。
もし超過分が払われなかったらどうなるのか。
月何十時間、何百時間の労働をしても数万円しかもらえなくなってしまいます・・・
私の場合、みなし残業代が月7万円で100時間働いた月なんてザラにありました。
計算すると、70000÷100=700円。
大卒サラリーマン(関東圏)の残業代が時給700円というやばさに。
時給700円ですよ?
深夜労働・休日出勤全て時給700円。
やってられません!
「みなし残業代」を悪用する悪質ブラック企業の手口
「みなし残業代」はちゃんと運用されれば、労使ともにメリットが大きいのですが、ブラック企業は悪用するために「みなし残業代」を採用しています。
一言で言えばみなし残業代を超えて労働者が働いても、超過分を払わずにタダ働きさせる目的です。
表向きでは「残業代管理を簡単にするために、多めにみなし残業代として払うよ!」ですが、本当の目的は「みなし残業を悪用して、搾取してやろう(グフフ」ですね。
意図的かどうかはわかりませんが、少なくとも私の会社は外に出る営業ではないので、タイムカードできっちり労働時間を管理できます。
にもかかわらず、「みなし残業代(固定残業代制度)」を採用していてかつ超過分を払う気もないので、意図的としか思えませんね。
私の場合どうやって対処したかというと・・・
退職時に未払い残業代を請求しました!
あまりに悔しかったし会社への憎悪もさることながら、ちゃんと働いた分のお金が欲しいというのが正直なところです。
結果としてはまとまったお金を手に入れられたので満足はしています。
(普通に考えれば、そもそも私のお金ですが!)
その時のことはまた記事にしていきますね。
(追記:↓未払い残業代請求の体験談↓)

サービス業を中心に、「みなし残業代」が悪用されているようなのでしっかり制度を理解して、理論」武装しておきましょう。