学習塾・予備校

塾の合格実績なんてどうでもいい?かしこい塾選びの方法を講師が解説

こんにちは、塾講師のはやてです。

皆さんはどうやって塾・予備校を選んでいますか?

子供はどんどん減っているにもかかわらず、塾と予備校の数やブランドは増える一方で、選ぶだけでも苦労してしまいますよね。

そんな中、塾を検討するときネットやチラシで合格実績を見て通うところを決めていませんか?

これは一見すると、最も合理的な塾選びに見えますよね。

ただ結論からいうと、合格実績を重視して塾を選ぶのは大間違いです。

合格実績で塾を選んでいけない理由と、合格実績の裏にあるカラクリを解説します。

現場で働く側の意見なので、参考になる部分もあるはずですよ。

合格実績で塾や予備校を選んではいけない理由

その1:合格実績が水増しされている可能性がある

初歩中の初歩ですが、塾や予備校は自社サービスを良く見せようとするために、トリック(水増し)を使う可能性があります。

塾や予備校のチラシで合格実績を見る時は、模擬試験や講習会に参加しただけの生徒や、直前期にきただけの生徒が実績から除外されているかを必ずチェックしましょう。

だいたいの塾では、小さい字で、「講習会や3ヶ月未満の在籍生徒数は除外しています」のような文言が書いてあります。

反対にその文言がなければ、そもそも実際より水増しをしているので、その塾の実績は無視すべきです。

その2:受験した母数がわからない

塾・予備校の実績で最も怖いのは、受験した母数がわからないということ。

これはかなり恐怖で、母数を載せている塾はほとんどありません。

例えば、東京都の塾であれば

日比谷高校30名合格!

と華々しく広告に載っていますが、一体何人が受けたかがそもそもわかりません。

東京都の公立高校最難関の日比谷高校は、倍率がだいたい2.5前後で推移しています。

日比谷30人と書いてあっても、70人が受けていれば倍率通りで普通ですし、100人受けていれば合格率は平均を切っています。

ちなみに、私が以前勤務していた塾では「〇〇中学」「〇〇高校」の合格実績で1位を取るために、その学校を受けるように必死で生徒と親を説得していました。

かなりあくどいやり方ですが、実績で生徒を集めている大手塾は普通にやっていることです。

中学入試、高校入試、大学入試のどれでも同じことがされているので、そもそも母数がわからないことには合格実績はあてにならないと言い切れます。

その3:優秀生が複数合格をしている

どの塾にも抜群に良くできる優秀な生徒っていますよね。

その優秀生を、複数の私立中学・高校・大学に受験させて合格実績を増やしています。

また塾によっては、受験費用をサポートしているところもあるようです。

偏差値80の生徒が、早慶の附属校を全て受けて10近くの実績を獲得しているなんてザラですよ。

塾のカラー次第ですが、体育会系の塾では良くあることですね。

その4:実績が出ている塾には本当に優秀な生徒が集まる

もともと良くできる生徒は、実績が出ている塾に集まります。

実績が出ていると、どんどん優秀な生徒が入ってくるのでさらに実績が増えていきます。

この好循環な環境に持ち込んだ塾(予備校)が、〇〇中学1位・〇〇大学1位を取っているわけです。

何が言いたいか。

それは、その塾の指導でなくても合格するはずの生徒がわんさかいるということ。

その5:自分の子供(自分)がその塾に合うとは限らない

一番言いたいのはこれです。

実績が出ている塾に通ったからといって、同じように自分が合格できるようになるとは限らないということ。

次の項目で詳しく見ていきます。

(悲報)塾には実績部隊とお月謝部隊が存在する

実績が出ている塾は、基本的に優秀生と非優秀生がはっきり分かれています。

優秀生には難関校に合格してもらって、実績を出してもらわないといけません。

逆に、非優秀生には塾の経営を成り立たせるための月謝を出してもらわないといけません。

優秀な講師は優秀生のクラスを担当し、下位生のクラスは未熟な先生をあてがいます。

カリキュラムは優秀生用になっているので、真ん中以下の生徒がどんどん落ちこぼれていきます。

私も長くこの業界にいるので、いわゆる実績がすごい塾と、実績がパッとしない塾のどちらでも勤務した経験があります。

実績のある塾では、

  • 真ん中以下の生徒は全く伸びない
  • 講義形式で宿題チェックすらしない(生徒・親まかせ)
  • 授業はハイスピードで上位生に合わせる

という傾向がありました。

また、実績がパッとしない塾では、

  • 生徒とコミュニケーションを重視して授業をする
  • まんべんなく生徒の学力が伸びる
  • 宿題チェックや補習が充実している

という特徴がありました。

荒波に揉まれて、バリバリ競争心をあおられてやっていきたい人には、実績のある塾。

しっかりと面倒を見てもらって、手厚いサポートを受けたい人には、実績のあまりない塾。

こういうふうに使い分けるのがオススメです。

上位生の多い塾では、授業についていけず宿題も全然わからずに辞めていく生徒をいっぱい見てきました。

実績をウリにしていない塾では、実績ある塾で潰れてしまった生徒・ついていけなくなった生徒がどんどん入塾してきました。

自分やお子さんの性格や今の成績状況をじっくり考えて、塾を選ぶことが重要です。

塾・予備校の実績なんてあてにならない!複数の体験授業を必ず受けるべし!

人生の一場面を左右する受験。

これに打ち勝つには、各々に最も適した勉強法が必要です。

その意味では、実績なんて全くあてになりません。

塾・予備校の実績の落とし穴
  1. 合格実績の水増しがあるかもしれない
  2. 受験母数がそもそもわからない
  3. 優秀な生徒が複数の学校に合格している
  4. 塾・予備校の指導力で合格しているとは限らない

合格実績には、このような大きな落とし穴があります。

合格実績の数字にだまされることなく、本当に合っている学習方法はどれなのかを考えましょう。

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