こんにちは、現役塾講師のはやてです。
私は首都圏を中心に約10年ほど現場(学習塾)で講師をしています。
専門は高校受験で、文系科目を中心に毎年受験指導をやっている一講師です。
今回は中学生の保護者の方向けに高校受験の塾をどうやって選べば良いかを記事にしたいと思います。
なぜこの記事を書こうと思ったか、主なモチベーションは以下です。
- どんな立場の人が書いたか不明瞭な記事
- 塾に精通していない方々によるこたつ記事
- 塾や企業による、自サービスに加入させるための導入記事
このように、中学生の子供を塾に入れようとしている親御さんの気持ちにあまり寄り添えていない記事が多かったため、まとめ記事を作ることにしました。
赤裸々に塾の内実をお伝えしてオススメの塾選び方法を紹介しますが、あくまで一講師の主張であることをご理解の上ごらんください。
Contents
個別指導と集団指導のどちらを受けさせるべきか
まず親の立場として、気になるのは個別指導と集団指導のどちらにするかだと思います。
今の段階でどちらにしようと思っていますか?
いきなりですが結論から言うと、私は集団指導(グループ指導)を強くお勧めします。
これは個別指導の欠点を述べれば分かってもらえるはずです。
個別指導の欠点
私は個別指導も集団指導も関わってきましたが、高校受験目的での個別指導は本当にお勧めしません。
理由は大きく分けて3つあります。
月謝が集団指導の約2倍
個別指導は月謝が本当に高いです。
これは塾の資料を取り寄せてもらえれば分かりますが、どの塾でも集団指導の約1.5倍から2倍を請求されます。
相場は1ヶ月で1科目週1回通わせて、約2万円前後。
二科目通わせれば、4万円ですよ?
一部の私立を除けば、高校受験は5科目勝負です。
単純計算をするだけで、ものすごい月謝になってきます。
担当講師は講師歴の浅いアルバイトが中心
塾講師には、正社員とアルバイトがいます。
親の立場からすると、「正社員の方が信頼できる」と思いますよね。
実際のところは塾講師は実績と経験が重要で、正社員だから良いと言うわけでは全くありません。
むしろ看板講師や分かりやすい授業をする講師は、非常勤講師(アルバイト・派遣)であることも多いのです。
ただ、一番問題なのは働き始めたばかりの大学生を中心とした初心者アルバイト講師。
個別指導講師の9割は歴の浅い大学生講師が中心です。
もちろん、講師によって教えるセンスが違ったり学力が違ったりしますが、個別指導で良い講師に当たるかどうかは正直ある意味博打です。
私が親だったら正社員や指導歴の長い講師にやってもらいたいですが、彼らが自分の子を見てくれることはほとんどないと言って良いです。
若い初心者講師は生徒に甘いことが多く、歳も近いため仲良くはなるのですが、要点を押さえていなかったり課題管理が甘かったりするので子供たちの成績を大幅にあげることはほぼ不可能です。
個別指導は集団指導よりも、担当する講師の裁量で結果が出るかどうかが決まります。
大事な子供の高校受験、歴の浅いアルバイト講師に任せることができないですよね。
授業時間が短い
先ほど、個別指導は月謝が高額であることをお伝えしましたが、高額にもかかわらず授業時間が集団指導よりも短くなっています。
お金は高いのに、指導時間は短い。
授業時間が短ければ、演習時間も短くなります。
科目の定着率がなかなか上がらないので、構造的に効果が出にくくなっています。
強いこだわりがなければ集団指導を選ぶべき
個別指導は基本的に塾の儲けに主眼があるので、生徒や保護者にとって旨味がほとんどありません。
小遣い稼ぎに来ている大学生講師が担当する(中には熱のある素敵な講師もいますが、運次第です)ので、正直私の子供には通わせたくありません。
一方で集団指導は以下のようなメリットがあります。
- 正社員や歴の長い非常勤講師が担当することが多い
- 授業時間が長い
- 月謝が比較的安価である
おそらく文字を読んでもらっただけでも安心できる内容だと思います。
ベテラン講師は、授業内容はもちろん課題管理が徹底していることが多いです。
家での学習を常に視野に入れているため、負荷がかかり、家で勉強をするようになります。
- 「うちの子供は理解力がないから・・・」
- 「人見知りだから質問できるかどうか・・・」
と不安になるかもしれませんが、普通の集団指導の講師であれば向こうから「できていない」生徒については(無料)補習の提案をしてきます。
正直そこまで心配することでもないんですよ。
個別指導を利用した方が良い特殊な例
私は現場で働いていて、どう考えても高校受験の場合は集団指導の方が効果が高いと認識しています。
ただ、一部の例外では個別指導を利用した方が良い場合もあるので、書いておきます。
それは、難関私立高校を(偏差値65以上)を視野に入れている場合です。
首都圏でいうとMARCH付属校以上の学校を考えている場合で特に苦手な科目(英語や数学)がある場合は個別指導で徹底的に苦手を潰した方が良いです。
地方だと、県下有数難関私立を想定しているとお考えください。
苦手科目があるだけで、合格がかなり遠い存在になってしまうシビアな戦いだからです。
難関校志望者には歴の眺めの講師が当てられることが多いですが、入塾の際に、
「指導歴が長い方にできれば担当してもらいたいです」
と強く伝えましょう。
こだわりがなければ、大手塾で大丈夫
実際にどの塾に子供を通わせるかということですが、特にこだわりがなければ大手の塾が良いです。
理由は簡単、大手の塾は講師の質・カリキュラム・実績がある程度担保(均質化)されているからです。
もちろん、ベテラン講師がワンマンでやっている個人塾などが近くにあれば入れても良いですが、ワンマン指導なので当たり外れが多くなってしまいます。
良い講師に当たれば抜群に伸びますが、その逆であれば無駄に終わる可能性があります。
大手の塾の集団指導であれば、正社員か歴の長い非常勤講師が主に担当しているので、「大外れ」ということはあまりないと考えてください。
塾の無料体験授業を絶対に受けるべし
大手塾は大手というだけあって、長く存続していて潰れていません。
それくらい安定して経営されているということです。
つまり、どこを選んでも指導の質自体はそれほど大きく変わるものではありません。
異なるのは、学習塾の雰囲気です。
体育会系の塾・まったりのびのびの塾・詰め込み型の塾など塾によってまちまちです。
そこで、近場にある大手塾の無料体験授業をいくつか回って子供に自分で決めてもらうことをお勧めします。
地方在住ですと中規模の塾が複数あるはずなので、同じように体験授業を受けましょう。
長年指導していて思うのですが、子供の成績が伸びるか否かは子供のモチベーションで決まると言っても過言ではありません。
子供のやる気を引き出してくれる塾(=子供にフィットしている塾)がどこかを実際に本人に確かめてもらいましょう。
実際に普段指導していて考えていることをありのまま記事にしました。
塾が全てではない!
塾講師の私だから明言できますが、塾が全てではありません。
塾はあくまで勉強のきっかけづくり。
そもそも塾に合わないお子さんだっていっぱいいるので、「とりあえず塾」という考えで通わせるのはオススメできません。
いまの時代は、塾以上の授業を格安で受けられるサービスをもあるので、塾以外にも目を向けて、お子さんにとって一番良い選択をしましょう。
